毎年1月14日の小正月の夜、御所市の吉祥草寺境内で雌雄一対の大松明が豪壮に焼き尽くされる“茅原の大とんど”。
役行者が大峯山へ行く途中、多くの茅が茂っていたので焼き払ったことが茅原の大とんどの始まりだといいます。その後に茅原の村ができたそうですが、ここでは年に一度“とんど”を行わないと必ず火事が起こるという言い伝えがあるそうです。
こちらの記事では、1月14日に御所市吉祥草寺で行われる、“茅原の大とんど”のクライマックスである大とんどへの点火時間や歴史、見どころなどについてご紹介しております。
茅原の大とんど
茅原の大とんどとは?
“茅原の大とんど”とは、毎年1月14日に行われる門松やしめ縄に破魔矢といった正月飾りや、書初めを持ち寄ってお焚き上げしてその年の無病息災や五穀豊穣を祈願する行事です。
地方によっては、「とんど」或いは「どんど」、または「左義長」などと呼び名が異なりますが、吉祥草寺に伝わる“茅原の大とんど”は、全国的に見ても最大級の規模でもちろん奈良では一番大きいものです。
茅原の大とんどの歴史
茅原の大とんどは1300年の歴史を持つと言われています。とんど焼きは全国の社寺で行われますが、吉祥草寺のとんどは特に歴史が古く、天智天皇の時代に天下泰平などを祈願して役行者によって行われたともいわれています。
吉祥草寺は、飛鳥時代から奈良時代に実在した呪術者であり、修験道の開祖といわれる役小角(えんのおづぬ)の生誕地であることから、修験道の修正会結願と農村の行事とが結びついたと言われ、松明が雌雄一対あるのも陰陽道に由来する行事に起因すると言われています。
茅原の大とんどの見どころ
地元の茅原、玉手の両地区の人たちによって作られた雌雄一対の大松明は、高さ6m、直径3m、重さは700kgもあり、その重厚感はさることながら他の地域では見られない朝顔形をしています。その雌雄一対の大松明が豪壮に焼き尽くされる様はまさに圧巻です。
先に雄松明に点火され、続いて雌松明の順に点火されると松明は高い火柱となって燃え上がり、21時過ぎまで葛城山麓の空を焦がします。
21時を過ぎ、やがて炎の勢いが弱まると雄松明と雌松明の間を潜り抜ける“御渡り”をする人が現れ、茅原の大とんどはクライマックスを迎えます。
また、地元ではこの火を取って持ち帰って、翌朝の朝に小豆粥を作って食べるという風習があるそうです。
茅原の大とんどのイベント情報
茅原の大とんどの開催場所
吉祥草寺:奈良県御所市茅原279
茅原の大とんどの点火時間
・法要:19時40分ごろから
・点火時間:20時00分ごろ
茅原の大とんど会場へのアクセス
茅原の大とんどのまとめ
茅原の大とんどは、門松やしめ縄といった正月飾りなどをお焚き上げし、その年の無病息災や五穀豊穣を祈願する1300年の歴史を持つ行事です。
見どころは何と言っても、高さ6mの雌雄一対の大松明が豪壮に焼き尽くされるところで、松明が高い火柱となって燃え上がる様は圧巻です。
火を持ち帰ることはできませんが、無病息災を願って一度足を運ばれてみてはいかがでしょうか。