秋田県の大館市で毎年行われる「大館アメッコ市」。お正月が過ぎると、冬の大館の街中にはあちらこちらに「枝アメ」が飾られ華やかな光景が現れます。
晴れた日は、色とりどりの飴や短冊が飾られた枝アメが雪の白や青空に映えて、まるで街路樹が花を咲かせたかのように見え、そんな光景を楽しむとともにアメを買い求めて約10万人の観光客が通りを埋め尽くします。
こちらの記事では、そんな大館アメッコ市の由来や歴史、アクセスや会場の情報を紹介しています。
大館アメッコ市の会場情報
・日程:2025年2月8日(土)~2024年2月9日(日)
毎年2月第2土曜とその翌日に開催
・時間:2024年2月8日(土):10:00~17:30
2024年2月9日(日):9:00~15:30
・開催場所:おおまちハチ公通り(旧大町中央通り)住所:秋田県大館市大町
・問い合わせ先:大館アメッコ市実行委員会事務局 電話 0186-42-4360
大館アメッコ市とは
大館アメッコ市は、毎年2月の第2土曜日と翌日曜日に行われる400年以上もの歴史を持つ伝統行事で、無料で振舞われる“からみアメ”をはじめとするたくさんの種類の飴が販売されています。
大館市では、この日に「田代岳」から「白ひげ大神」がアメを買いに山から降りてくるという言い伝えがあり、この日にアメを食べると一年間風邪をひかないという古くからの言い伝えがある有難いお祭りです。
大館アメッコ市の由来
アメッコ市の由来は諸説あるようですが、ある農家の女性がお米でアメを作ってお餅につけて食べていたのですが、そのアメを赤い枝ぶりがみずみずしい“ミズキ”の枝に付けて稲穂に見立て、豊作を祈願するために旧正月に神前に供えるようになりました。
やがて、農家以外の人々も健康と幸福を願い旧正月にアメを食べるようになり、このアメを農家の女性たちが作って町で売るようになったのがアメッコ市の始まりで、大館市の旧正月の行事として定着したとされます。
大館アメッコ市の歴史
アメッコ市の起源は400年前の天正16年(1588年)、天下統一を果たした豊臣秀吉が刀狩令を発布したその日、大館城下に開かれた「市」から始まったと伝えられています。
大館市史によると、大館地方で開かれる市は明治初期から明治30年代までは7の日が大館地区、6の日が十二所地区、2の日が川口地区、5と10 の日が扇田地区、4の日が早口地区と決められていたそうです。
このうち大館町の市は、大町、馬喰町、中町、新町の四つの市が、7日・17日・27日の順に開かれるようになり、大町の市は小野家(当時の主人は小野儀助)の前の通りで開かれていたとのことです。
その大町の市が開かれていた小野家の小野儀助氏の日記には、「中町市十七日市を繰上げたり。あめ町也」という記述があることから、この頃にはすでに市で飴が売られるようになっていたことが分かります。
かつては旧正月12日に行われる小正月行事でしたが、いつしか2月11・12日におこなわれるようになり、枝アメが並ぶ光景が見られるようになったのは昭和20年代で、大館の冬の風物詩ともいわれる観光行事となったのは昭和40年代のころです。
大館アメッコ市の種類
おおまちハチ公通り(旧大町中央通り)には約100店舗のアメを販売する店が並びます。種類が豊富なアメのお祭りで、いわばキャンディフェスティバルです!
アメの種類は、一番人気の枝アメはもちろん金太郎飴やキャラクターもの、味はゴマ、ハッカ、しそ、バナナなど様々な味のアメがあります。それぞれ小袋で販売されていたり、なかには1個ずつ販売しているバラ売りのアメもあり、手軽に購入することができるのもアメッコ市の魅力の一つでしょう。
なかにはあんこ、しょうゆ、しょうが、甘酒、枝豆といった、およそコンビニやスーパーではなかなかお目にかかれないフレーバーのアメがあるのもアメッコ市ならではということでしょうか。
大館アメッコ市のイベント
からみアメの振る舞いサービス
からみアメとは、アメッコ市で1日に2~3回無料で振舞われる昔ながらの水アメで、その時間が来ると会場内に放送が流れそれを合図に「大館食品デパート」脇に行列ができ始め、次々と職人さんが作りたての温かい水アメを棒で絡めとってくれます。
出来立てのからみアメはとろとろで、とろとろ過ぎるがゆえに職人さんの「はい、あーん」の掛け声とともに口の中に入れてくれて、「食べ終わるまで口から出さないでね」と言われるほどとろとろですから、口に入れてもらったらけっして出さずに無くなるまで舐めきってくださいね。
白ひげ大神巡行
「白ひげ大神巡行」とは、白ひげ大神ともんぺ姿の「おこう」たちが練り歩く行事で、アメッコ市のメインイベントです。
“気立ての優しい働き者の娘おこうが白ひげ大神に助けられた”という言い伝えと、“アメッコ市の日に田代岳から白ひげ大神がアメを買いに山から降りて来る”という言い伝えを結び付けて再現したのが白ひげ大神巡行です。
白ひげ大神が帰るときには、山を下りて来たときの自分の足跡を消すために吹雪を起こすという言い伝えがあり、そのためアメッコ市はきまって吹雪になると云われてきました。
不思議なことに、言い伝えのとおりアメッコ市の期間中は雪が降ることが多く、時には吹雪の中でのアメッコ市となることもあるそうですから、しっかり寒さ対策をしてから出かけた方がいいかもしれませんね。
秋田犬パレード
秋田県大館市は忠犬ハチ公のふるさとで、秋田犬の産地でもあります。
アメッコ市では、秋田犬パレードや秋田犬に会えるコーナーを設け、全国から訪れた観光客や愛犬家や秋田犬ファンを喜ばせています。
何頭もの秋田犬が集まるので、秋田犬が好きで飼いたいけど事情があって飼えない方たちはここで触れ合うことができるかもしれませんね。
その他のイベント
「郷土芸能獅子舞」・「大館曲げわっぱ太鼓の演奏」のほか、コンサートや楽しい演芸ショーなども毎年いろいろと企画されています。
大館アメッコ市でキャミッコ。#大館 #アメッコ市 #キャミブラ pic.twitter.com/49J4hlD9Di
— コバヤシ @秋田 キャミソウルブラザーズのキャミ担当。 (@BenzoBrownsugar) February 11, 2023
大館アメッコ市へのアクセスと会場
大館アメッコ市のアクセス情報
有料臨時シャトルバスの運行があるようですが2024年はありませんでした。2025年も現時点では不明ですので事前にお確かめください。
まとめ
この日にアメを食べると一年間風邪をひかないという古くからの言い伝えがあるアメッコ市。まるで街路樹が花を咲かせたかのような色とりどりの枝アメ。雪の白と青空に映える様は実に爽快です。
実際に枝アメ作りを体験できるコーナーもあるようなので、伝承を引き継ぐ伝統行事に触れてみるのもいいかもしれませんね。
ただ、吹雪に遭遇するかのせいもあるので、くれぐれも寒さ対策は万全にして臨んでくださいね♪