水虫の基礎知識
なった人しかわからないかゆい水虫ですが、なかには自覚症状がないのに水虫になっている人もいます。
でも、自覚症状がないからといって放置してしまうと症状が悪化するだけでなく、家族人への感染源にもなってしまうのでご注意ですぞ!
水虫は、「白癬菌(はくせんきん)」という真菌(カビ)が原因で起こる感染症の一種です。
白癬菌は、皮膚の角質の成分であるケラチンを好みケラチナーゼという酵素でケラチンを溶かし、栄養源にして角質層に寄生しています。
また、水虫はほかのカビと同様に高温多湿を好むということなので、ジメジメして蒸し暑い梅雨時期から夏場にかけて活動の最盛期を迎えるようです。
また、靴や靴下を長時間履き続けていると皮膚が汗ばみ蒸れた状態になります。女性の方は特に長いブーツを履いているので、この時期とくに水虫を気にされる方が多くなるそうですが、そのような皮膚こそ白癬菌にとって格好の住み家となるんだそうですよ。
水虫といえば中年男性、いわゆる「お父さん」の代名詞のような病気でしたが、いまでは女性、特に女子高生などの若い女性にも水虫患者の増加しているようです。
水虫の患者数
数年前、全国の皮膚科専門医に対して、皮膚科を受診した全国20,000人以上の患者さんについてある調査が実施されました。
その結果、水虫患者は全国で人口の20%、つまり2,500万人もの水虫感染者がいることが分かりました。さらに、治療に通っていない潜在的な水虫患者まで入れると、さらに多くの患者がいると推計され、なんと、4人に1人は水虫に悩んでいる計算になります。
水虫の原因と種類
水虫は足だけではなく手や頭、爪など全身に感染する恐れがあります。その原因となる白癬菌は、私たちの生活する身近なところに存在していて、それぞれ感染しやすい部位や症状も異なりいくつかの種類に分けられます。
■足白癬(俗称:水虫)
土踏まずや足の縁にできるものを「小水疱型」、足の裏全体やかかとにできるものを「角質増殖型」、足の指の間にできるものを「趾間(しかん)型」という。
■頭部白癬(俗称:しらくも)
白癬菌が頭に寄生し、白い雲がかかったようになることから「しらくも」とも呼ばれる。飼っているペットから感染する場合がある。
■体部白癬(俗称:たむし)
「小水疱性斑状白癬」ともいい、形が銭に似ていることから「ゼニタムシ」といわれています。初めはぽつんと湿疹状の隆起がかゆくなり、徐々に10円玉くらいの大きさに広がっていき、健康な部分との境界がはっきりした斑状になる。症状が進むと中心部は自然に炎症が治まるのが特徴。
■陰股部白癬(俗称:いんきんたむし)
陰股部や臀部にできるのは「頑癬(がんせん)」。俗称「いんきんたむし」と呼ばれています。いずれも、自分の水虫が感染源になる場合と、飼っているペットから感染する場合がある。
■爪白癬(俗称:爪水虫)
水虫は爪にもできる。爪白癬にかかると、爪の先端や両側から白くなったり、爪の中に白い筋が現れたりする。初期段階ではかゆみなどの自覚症状がないため、爪白癬だと気づかずに放置し、爪がボロボロになってしまうこともある。治すのに大変苦労するタイプです。
水虫感染について
白癬菌の感染力は、それほど強力ではありませんので、空気感染や直接接触による感染はほとんどないと考えられています。
水虫感染のほとんどは、水虫患者が落とした患部の皮膚や垢などが、他の人の皮膚に付着することで感染しますので、複数の人が使うバスルームの足ふきマットやスリッパなど湿った暖かい場所は特に要注意と言えます。この白癬菌は垢の中では長期間にわたり生存可能なのです。
しかし、皮膚に付いたからといって必ず水虫に感染するわけではありません。この垢は足が乾燥していれば皮膚から剥がれ落ちてしまいますし、皮膚に付いた白癬菌も2~3日潜伏したあと、その皮膚の環境がよければ寄生して発病するわけです。
白癬菌は付着しても24時間以内に洗い流せば感染・寄生はしません。
家族内感染
日本では家の中では靴を履く習慣がないため、多くの方が素足で生活しています。つまり、家族の中に水虫の人がいると、家の中で感染する機会が増えてしまうことになります。日本人の水虫の多くは、家族内感染であるということができます。
家にいるときは裸足が良いといわれていますが、衛生面・家族への感染を考えますと、裸足よりも蒸れない靴下の方が効果的と思われます。家族への感染は防ぎたいですね。
ペットからの感染
家で飼っているペットなどから、水虫が人間にうつってしまうということがあります。ペットに住みついている水虫菌は、動物好性菌と呼ばれ、ペットから人間が水虫をうつされてしまった場合、一般的な足の水虫ではなく、体部や頭部に感染する場合がほとんどです。
ペットが保菌している場合は、皮膚に湿疹状のものができたり、異常な脱毛が起こりますので、そのときは速やかに獣医の診察を受けるようにしたほうが良いでしょう。
かゆい水虫の治し方
初期段階の場合は、市販薬を塗るだけで比較的短期間で症状が改善する場合があるようです。水虫を直す市販薬は、普通にドラッグストアなどで購入する事ができます。
ただ、水虫の原因である白癬菌は皮膚の深部に存在するので、白癬菌を壊滅しない限りは完治することはないので、薬を皮膚の深部にまで浸透させる必要があります。
また症状が出ている部分だけじゃなく、白癬菌は痒いところ以外の部分にも住み着いている可能性があるので、症状が出ている部分だけじゃなく周辺もしっかりと塗るようにしましょうね。
まとめ
水虫は一度治しても、再発する方が多いのも事実です。再発、再感染を防ぐためには家族全員で治療をすることが重要です。
そして、見た目に治ったように見えたからといって、かってな判断で治療を中断しないようにしましょう♪