青森の「ねぶた」と弘前の「ねぷた」は、どちらも東北地方の夏祭りを代表する行事ですが、その名前や特徴にはいくつかの違いがあります。
名前の違い
青森ねぶた
「ねぶた」は青森市を中心とする地域で用いられますが、名前の由来についてはいくつかの説があります。
三つの節がありますが、はっきりとした起源は特定されていないのが現状です。それでも、青森ねぶた祭りは古くから続く伝統行事であり、地域の人々に愛され続けています。
眠り流し説
「眠り流し」は最も広く知られている説で、昔、農作業が忙しい夏場に行われていた行事に由来します。
この行事は、睡魔を払うために川や海に灯篭を流すものだったとされますが、この「眠り流し」が「ねむた」となり、さらに「ねぶた」に変わったと言われていて、いちばん有力な説とされています。
ネブタバナ説
麻の一種である「ネブタバナ」と呼ばれる植物に由来するという説です。
かつてはこのネブタバナを焚いて、その煙で眠気を覚ましたり虫除けとして使用していたことから、「ねぶた」という名前がついたという説です。
寝蓋(ねぶた)説
寝るの「寝」と蓋の「ふた」を合わせた「寝蓋」という言葉が由来とされる説もあります。これは、眠りを防ぐために蓋を被せて眠気を防ぐという意味から来ているというものです。
弘前ねぷた
「ねぷた」は弘前市を中心とする津軽地方で用いられる呼び方です。
「ねぷた」の名前の由来にもいくつかの説がありますが、現在でもはっきりとした起源は特定されていません。それでも、弘前ねぷた祭りは地域の伝統行事として地元の人々に愛され続けています。
眠り流し説
青森ねぶた祭りと同様に、弘前ねぷたの「ねぷた」も「眠り流し」から来ているという説があります。
農作業が忙しい夏の時期に、睡魔を払うために灯篭を流す「眠り流し」の行事が行われていたことに由来するとされ、眠り流しが「ねむた」、さらに「ねぷた」に変化したというもので、こちらもこれがいちばん有力な説とされています。
禰仏(ねぶつ)説
仏教に関連する説として、「禰仏」という言葉から来ているというものがあります。
これは、仏教の供養や祈りの行事に関連しているとされ、灯篭を使った行事がこの禰仏に由来しているという説です。
禰布田(ねふた)説
弘前藩の時代に使われた「禰布田」という言葉が由来しているとする説もあります。この禰布田は、祭りの灯篭や行事に関連する言葉とされています。
方言説
「ねぶた」と「ねぷた」の違いは、地域の方言によるものだという説もあります。
青森市では「ねぶた」と呼び、弘前市では「ねぷた」と呼ぶという違いは、発音や言い回しが地域的な違いにあるからというものです。
祭りの特徴
青森ねぶた
大型の人形型や立体的なねぶたが多く、鮮やかな色彩と迫力あるデザインが特徴でエネルギッシュな雰囲気です。
「ラッセラー」の掛け声をかけながら踊る「跳人(はねと)」が有名です。
弘前ねぷた
主に扇形のねぷたが使用され、山車には歴史的な武者絵や美しい風景が描かれてやや穏やかで静かな雰囲気です。
参加者は「ヤーヤドー」の掛け声をかけながら行進します。
地域性と歴史の影響
地域性
弘前と青森は地理的に近いものの、それぞれの地域には独自の文化や伝統があり、これが祭りの形式や名称に影響を与えています。
歴史の違い
弘前は津軽藩の城下町として発展し、青森は港町として発展しました。それぞれの地域の発展の歴史や商業活動の違いが、祭りのスタイルにも反映されています。
まとめ
弘前の「ねぷた」と青森の「ねぶた」は、名前や祭りの形態に違いがあるものの、どちらも夏の風物詩として地元の人々に愛され、観光客を魅了するイベントです。
機会がありましたら一度お出かけになりませんか♪